市営バスさん、また連れてって

「ひのみねかわらばん」より



 今、遠足から帰ってきた。最近体が弱くなったのか、かなり疲れている。正直ベッドに寝転びたい。でも、これを今日中に書き上げなければ、発行日が3日後に迫っている。本物の記者はこんなのが毎日続くのだと思うとゾッとする。将来、仕事が出来たとしても記者だけにはなりたくない。この「かわらばん」だけで十分だ。
 話を遠足の方に移そう。今日の行き先は「鳴門マリンランド」である。「体験丸」は想像していたよりかなり大きな船だ。真中に大きな口がドコッと開いているのも面白い。まるで「沈黙の艦隊」の「サザンクロス」に乗っているような気分だ。今にも「シ−バット」が浮かんできそうである。しかしその口からは、潜水艦ではなく底引網が姿を見せた。おお、大漁大漁。大きな鯛が2匹も入っている。さぁいよいよ抽選だ。4600番。くっそ−、1番違いではないか。前後賞というのはないのか。でも、当たったのが結婚前のめでたいMだからまあいいか。結婚祝に持ってけドロボ−!
 ところで、遠足といえば小松島市営の赤バスを思い出す。ずっとずっと昔から遠足も臨海訓練も修学旅行もみんな赤バスだった。修学旅行なんかで他のカラフルなバスを見かけると「あんなバスええなぁ」と思ったものだが、ここ十年の間にほんとにモダンになったと思う。今日はその市営バスが新車を購入したということで、市の福祉事業の一環として無料招待してくれた訳だ。しかも紅白のお餅と赤飯をくれるという。久々に餅が食えると楽しみにしていたのだが、お餅は付き添いの人だけという。赤飯は市議会の議員さんが配ってくれたが、それもすぐに没収された帰ってからのお楽しみだという。なんやなんや、これじゃ−年末の市長サンタのプレゼントと同じではないか。もうガックリだ。そのうえ窓の外の祝賀会では、お偉いさんのくだらん話が延々と続く。ああ、イライラしてきた。早よう終われ、このやろう。でもまぁしゃ−ないか、タダにはかえられん。市営バスさん、市のお偉いさん、今言ったこと撤回しますからまた連れてって下さいね。スリスリ!


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