___
ひのみね長屋に戻る__前のページへ 次ページへ_ギャラリー拝見へ__bluepageへ戻る

村上哲史のアトリエ探訪

Studio.5  川上和彦さんのアトリエ 2−2
場所---------------(三好郡三好町の自宅の寝室)

アトリエにて

 アトリエで制作している様子を見せていただきました。
 普段はパソコンの机ですが、キーボードを立て、空いたスペースに手製のイーゼルを置きます。スケッチブックをセットして、椅子の上に色鉛筆を置けば準備完了。ごく普通の寝室がアトリエに早変りです。
 そしてもう一つ付け加えておかなければいけないのが、川上さんは車椅子に乗っているということ。1ページ目でそれを紹介しなかったのは、まずは何の偏見もなくただ純粋に作品を見てほしかったからです。
作品 ししとうをもらってきた しょうゆの実かけてひとくち食べた あまりのからさに 足が 動きそうな気がした  彼の病名は多発性硬化症。脳や脊髄の組織が硬化することにより体のあちこちに様々な症状が出るらしく、彼の場合それが足に来ているようです。
 発病する前までは和菓子職人としての修行の毎日で、絵などとは全く無縁だったといいます。
「こんな体になったことで色鉛筆画という素晴らしいものに出会うことが出来たし、そのおかげでたくさんの人に出会えたし、暖かいものをいっぱいもらいました。変な話ですがこの病気に感謝することもあるんですよ」と言いつつも、
「絵を描いている間は足が動かないことを忘れていられる」とも言っていました。どちらも彼の正直な気持ちであることに間違いありません。彼の誠実さがビンビン伝わってきました。
 

作品 机の上のスイカとトマト つい見とれてしまう 夏のひととき 製作の工程は、まず別の画用紙に下書きをして、和紙を鉛筆で塗りつぶした自家製のカーボン紙を敷いて写します。カーボンを買いに行くのが面倒だったので自分で作ってみると、下書きのラインが見えるか見えないかの薄さで写すことが出来たので、それ以来この方法を使っているそうです。
 下書きさえ出来れば、あとはひたすら色鉛筆で色を重ねるのみ。
「初めのうちは、ものになるんだろうかと不安いっぱいですけど、完成に近づくに従って気持ちが高まってきて、一気に描き上げてしまいます。今まで途中で投げ出した作品はないんですよ」
 病気のせいもあり、1日に2時間が限界という川上さん。多分、2時間なんてあっという間だと思います。

72色の色鉛筆
 彼が使っている画材は、スケッチブックとこの色鉛筆だけ。「特にこだわってはいないんですよ」といいつつも、スケッチブックの紙質は薄めでざらつきが少なく、やや黄色かがったものを「これが一番使いやすい」と説明してくれました。色鉛筆だって、使っているものと使っていない色は一目瞭然。そりゃそうですよねぇ。

作品 ありがとう ありがとう 言っても 言われても 嬉しい 川上さんは、今年の井川町の「なでしこ祭」で初めて作品を発表しました。
「その時、おばちゃん達がたくさん寄ってきて握手攻めにあったりして、恥ずかしいやら嬉しいやら。でも作品展を開くことが出来てほんとに良かった。この時の皆さんの励ましが今のボクの励みになっています」
 ボクも初めて作品展を開いた時のことを思い出します。企画段階から相談にのってもらい、搬入搬出展示等すべてに渡って快くお手伝いしていただいた家族、友人、展示会場の方々、そして何よりも見に来てくださった大勢の方々に感謝です。自分はなんて大勢の人に支えられているんだろうと実感したものでした。

 作家は、作品を見てもらうことによって進化していくと思っています。人に見てもらうことの喜びを知った川上さんは、これからどんどん進化していくはずです。
 来年4月8〜10日の「ゆるい展」には、彼の作品も出品していただけることになっています。どんな新作に会えるのか今から楽しみです。

玄関1 玄関2

 結局、川上さん宅には2時間ぐらいおじゃましました。
 言い忘れていましたが川上さん宅は完全バリアフリーです。廊下も広く、全体にゆったりとした実にいい間取りでした。
 玄関には電動昇降機が付いていました。福祉機器のカタログなどでは見たことがありますが乗ったのは初めてです。音も静かだし、デザイン的にも違和感はありません。いいなと思いました。

お・ま・け

 取材の後、川島町図書館で行なわれていた平木美鶴さんの作品展を覗いてきました。

平木美鶴さん作品展会場1

作品の真ん中に穴を開けた新しい試みや
ハマっているという石の作品など
相変わらず楽しい作品展でした。


平木美鶴さん作品展会場2 平木美鶴さん作品展会場3

ひのみね長屋に戻る__前のページへ 次ページへ_ギャラリー拝見へ__bluepageへ戻る

Copyright Notice:(C) All rights reserved.

No part of this site may be reproduced or translated in any form without prior permission in writing from HINOMINE NAGAYA.

本ホームページのいかなる内容も無断で転載、引用を禁じます。転載、引用には「ひのみね長屋」からの書面による事前の了解を得る事が必要です。